31 May 2012
la porte
テットドール公園の入り口にある門。
三年前の夏フランスに越してきてすぐ、この近くのホテルに二ヶ月半住んでいた。水族館とかプラネタリウムとか図書館とか、屋内で子供と一緒に過ごせる場所というのが全部バカンスで閉まっていて、遊びに来るのはここしかなかった。だから毎日ここに通った。
二人こぎの自転車をレンタルしたり、オットがいる週末はボートを借りたり、アイスクリーム食べながら動物園をぶらぶらしたり。大人四人でおしゃべりに夢中になっていたら、ムスコが池にはまったこともあった。
この門の前に立つと、必ずあの夏のことを思い出す。
27 May 2012
中庭から
十時近くになり、「おやすみなさい」を言って消えていく人がちらほら。パーティーもそろそろ残り火モード。
早口の仏語の会話から完全に落ちこぼれてしまい、ふと空を見上げる。
土地と違って空は所有することができないはずだけれど、こうやって建物に囲まれて切り取られている空の一部は、ここに住んでいる人達の持ち物だと言う気がする。だから三年間、この空は私の空でもあった。
ふわっと暖かい初夏の夜。輪になって座って、食べて飲んでしゃべって笑う。
もしこのまま時間が止まってしまってずっとここにいることになっても、それも悪くはないなあと思った。
25 May 2012
fête des voisins 2012
今年もまた、アパートの中庭で持ち寄りパーティー。平日にもかかわらず、始まりは七時半。厳密に言うと、テーブルを提供してくれたお宅がテーブル持って登場したのが七時半で、食べ物が並んでワインが開けられたのは八時近く。
醤油とにんにくと生姜とたまねぎで二時間マリネして焼いたチキンは、文字通りあっ!という間に売り切れた。レシピを頼まれる。適当に作ったのでレシピなんかないんだよ~…。量なんか計ったことないしな(←自慢するでない)。
もう一度計りながら作り直してメモとって、仏語に訳さなくちゃだな。
22 May 2012
中庭
うちのアパートの建物の、中庭。
中庭と言っても下はコンクリート。壁際には住人用のゴミ箱がふたつ、リサイクル用の収集箱がひとつ。他にはなんにもなし。ベンチとか綺麗なプランターとか、そんなもの一切なし。決して美しい中庭ではない。
でもピンク色の壁が可愛いので許す。
19 May 2012
あと七週間
やっと辞令がおりて、アメリカに戻ることが決まった。やれやれほっと一息。
息子の学校は6月27日で終了、その次の週あけには引越業者が荷物つめに来て、我々はホテルへ移動することになる。
このアパートでの生活もあと残りわずかだが、ここへ来てあれこれ家電のトラブル多発。オーブンやタンブラー乾燥機はなくても生活できるが、洗濯機がないと困る。あと七週間、どうしよう…。
10 May 2012
ロンドン科学博物館
実を言うとそれほど期待してなかった、ロンドン科学博物館。というのも、こういう博物館は主に子供向けだと思っていたから。
ところがどっこい。もちろん個人的な好みもあるだろうけれど、ワタシは大英博物館よりこっちの方が断然面白いし見所も多いと思った。
オットと交代でムスコの番をしながら、あっちこっちの展示物を観て回る。ワタシがとにかくはまったのは、時間がテーマのギャラリーにあった時計類と、別のギャラリーに山ほど展示されていた実験器具。このふたつを写真撮りながら観て回るだけで、軽く二時間は過ごせたと思う。しかし実際は三十分交代でムスコの傍に戻るというスケジュール。他にも観たいところいっぱいあるし。
あ~ん、全然時間が足りましぇ~ん。
オットはワタシとは全く興味の範囲が違うのだが、彼も観るところとにかくすべて楽しかったらしい。戻ってくる度に、ちょっと興奮した口調で、今観てきたばかりの展示物の説明をしてくれたりするのだった。
古い科学器具というのは本当に美しい。ここには研ぎ澄まされた機能美と、道具として長い間使われて出た『いい味』が同時に存在する。何を調べていたのだろう。どうやって使っていたのだろう。探していた答えは見つかったのだろうか。
現在の私達が当たり前の知識として持っている情報を、手探りで追い求めた昔の人々を思う。そして、探し求めるものは変わっても、人間の素直な探究心そのものは今も昔も変わらないことに感動を覚える。今から百年後、人々は我々の試行錯誤の努力をどんな目で見るのだろう。
今度また行く機会ができたら、ムスコはもう一人にしておいても大丈夫な年齢になっていることと思う。そしたら三人全く別行動でランチ時だけ落ち合うことにして、三時間くらいゆっくりじっくり、好きなところだけ観て回ることにしよう。
07 May 2012
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