01 September 2011

京都御幸町教会




柳桜園でお茶を買って上機嫌でお店を出て、角を曲がったらホントにすぐそこにあった、京都御幸町教会。

小さな小さな教会で、煉瓦で造られていることもあってとても温かい感じがする。平日の午前中だったのでもちろん扉は閉まっていて、残念ながら中を見ることはできなかった。会堂のすぐ傍に立っていた記念板に書かれていたことをそのままここに記すと、




京都市指定有形文化財 
日本キリスト教団 京都御幸町教会会堂
当教会は、1898年(明治13年)に設立されたアメリカ南メソジスト教会神戸教区の京都講義所が起源である。1941年(昭和16年)プロテスタント各派が合同して日本基督教団を設立したのを機に、翌1942年に京都御幸町教会となった。
現在の教会堂は、1913年(大正2年)にに建てられた煉瓦造の平屋建で、背面に講檀を張り出す他はほぼ矩形の平面である。外観は、窓を尖頭形として側面の要所にバットレスを配すなど、ゴシック様式を基調としている。内部は西端に玄関を配し、その上部は中二階として北寄りに階段室を区画する。奥の礼拝堂は広い一室で、天井を貼らずにキングポストトラスをみせ、最奥に講檀を設ける。なお、南接建物にある集会室との境には3連のガラス入り格子戸が装置されているが、これは上部の壁内に引き込む揚戸となっている。この柱間装置は集会室との一体的な利用を図るために設計されたもので、他にあまり例がない。
当教会堂は、明治末から昭和初期にかけて活躍したW.M.ヴォーリズの初期の教会堂作品である。京都市内に残る数少ない煉瓦造の教会堂建築のひとつとして貴重である。
1997年(平成9年)指定
京都市


…ということである。



フランスに帰ってきてからウィキペディアの略歴を読んで、どうも何となく覚えがあったので本棚に並んでいるクウネルを端からめくってみたら、2010年5月号に、あったあった、『ヴォーリズさんの立てた洋館 - 家は家族の健康を守るもの。』という記事が。大正10年に彼が建てたダブルハウスと呼ばれる家の内部の写真が載っているのだが、玄関ポーチのデザインが素晴らしい。

この記事によると、ヴォーリズは「家は、一番長い時間を過ごし、家事いっさいを引き受ける人のために建てるもの」と言い、家作りに関しては、一家の主よりも、夫人やメイドに味方したそうだ。かっこいい。そして「その家の知識の程度は、その家の台所を見れば直ぐ分かる」とも言ったそうである。どきっ。うちの台所、ヴォーリズさんに合格点もらえるかしらん…。


あまりの暑さでカメラ構える気もしなかったので、写真をほとんど撮らず(後で悔やんだのは言うまでもないが)。というわけでもないけれど、京都御幸町教会の写真は、ヴォーリズ建築物を訪ねて記事にしていらっしゃるこちらで。


ヴォーリズが亡くなって47年。彼が造り伝えようとしたものは、今でも生きている




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